自分に何ができるかは、自分以外の者には分からない。いや、自分でもやってみるまではわからないものだ。(R. W. Emerson)

どんな偉大な芸術家でも、初めはみんな素人だった。(R. W. Emerson)

素人であることを恥ずべきではありません。学べば良いだけですから。

写真は、当教室において最初の課題としているカートゥシェ(Cartouche)です。Cスクロール、Sスクロール、それとアカンサスリーフで構成されます。よく観察するとわかりますが、写真は作成する過程がわかるように、右半分と左半分で仕上がり状態を意図的に変えた半完成体です。左半分が目標とする品質で、右半分が作成途中のアウトプットになります。わかりますでしょうか?

ノービス(初心者)の人には、ぜひバックグラウンドの仕上げについて、注目していただきたいと思います。ほとんど、一瞬、目で見る限りにおいては、まっ平な板がバックグランドに配置されているように見えます。これはすべてハンドツールのみで仕上げて、この平ら感を出します。まっ平な板の周りに、デコラティブな装飾をアプライ(接着)したものではなく、すべて掘り出しで作成します。

何かをしようとした時、失敗を恐れないで、やってください。失敗して負けてしまったら、その理由を考えて反省してください。必ず、将来の役に立つと思います。(イチロー)

木工は失敗して初めて、失敗した方法が”ダメな方法”である、ということがわかる「仕組み」になっています。何を言っているのかと思うかもしれません。良い方法と悪い方法を判別すること。その唯一の方法が失敗することだというのです。断じて、本に書いてあることが本当ではありませんし、だれかが作った動画が真実ではありません。このブログで言っていることも、本当は真実ではないかも知れません。自分で確かめること。これ以上に確かなことはありません。ですから、失敗は成長するために必要なことなので、多いに失敗しましょう。失敗を恐れない勇気。言葉でいうと簡単ですが、これが怖いものです。

今までのやり方を疑い、学んだ方法を疑い、自分なりの解釈をプロセスの中に見出すこと。学習というと、常に正解が求められると、勘違いするかも知れません。実はそんなことはありません。物事を達成する方法はいくらでもあるのです。心が折れない限り、前に進むことができます。でも、心が折れた場合は、、、、一週間くらい気分転換しましょう。きっとまたやる気が復活していることでしょう。

“Cartouch”とは写真のような、渕に装飾が施されたエンブレムのことです。レタリングやシンボルを他の背景から区別して、わかりやすくするためのもので、古代ローマ時代から存在します。波打つモールディングを際と表面に施したものをCartouchと呼び、ラテン語のpaperを意味するchartaとイタリア語のscrollを意味するcartoccioを語源とするようです。

教室では、このCartochを手作りすることを第一の課題目標とします。中央にはチップカービングという手法で名前を彫ります。

[カートゥシェの用途]

名前を彫るので、表札に使うこと意図します。自分の家用の表札を作ることもあるでしょうが、それよりむしろ、時間と労力をかけて、これを制作することで、作り手の気持ちを伝えることを実現したいと考えています。 たとえば、結婚のお祝い用とか、何かの記念のプレゼントとか、作り手が伝えたい気持ちを物に込めるお手伝いをすることを教室では目的とします。

さて、それではそろそろ仕事にとりかかることにしましょう!

「諸君、明日はもっと良いものをつくろう」(アントニオ・ガウディ)

「Mañana venid temprano que haremos cosas muy bonitas.」Antoni Gaudí i Cornet(1852-1926)

ガウディは交通事故で亡くなりましたが、亡くなった日の朝に職人たちに送った言葉と言われています。いつまでたっても完成しないサクラダ・ファミリア。それは、現場の想像力を信じ、今日よりも、明日の方が良いものになっていると信じる強さの結晶。手を動かくことで、「もっと、良いものができる」と信じること。まずは、今は完成することが目標ではありません。良いものを作ること。これに集中しましょうか。

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