パンチによるバックグランド処理(Lazy man’s back ground)

パンチによるバックグランド処理の実際の作業を紹介します。パンチとは第9回ウッドカービング教室で説明しました、彫刻作品のバックグランドにテクスチャを付加する金属製の棒のことを指します。詳細はウッドカービング教室の説明を参照していただくとして、まずは必要とする道具の説明です。

右側にあるのが、市販のアルミ棒。今回はこの棒を切断し、パンチを作成するところから始めます。

ウッドカービング教室では市販のものを購入することもできるとしていますが、今回は市販のものを購入できなかった想定で、金属製の棒から独自にパンチを作るところから始めます。

まず、アルミ棒を適当な長さに切断します。5寸釘程度の長さであれば十分でしょう。アルミ棒の切断にはカナノコでも良いのですがピラニアソーを持っているので、今回はそれを使い切断することにします。(写真左側)ウッドカービング教室の説明では、ステンレス製の鋼材を使い、パンチを作る方法をご紹介していますが、ステンレス鋼は固いためパンチを作るより先に、心の方が先に折れてしまう(^^;)ので、柔らかいアルミ棒を採用してみました。

パンチによるテクスチャの作業の途中で、テクスチャ用溝がつぶれたら、ヤスリでもう一回作ればよいという開き直りです。無いものは自分で作るという、精神で行ってみたいと思います。

アルミ棒が適当な長さに切れたら、ハンコのようにパンチ面をヤスリで作ります。

まず、溝を切る面を軽く平にするため、グラインダーにあてて平面を出します。グラインダーが無い場合はベルトサンダーでも代用できます。今回は諸般の事情でベルトサンダーで軽く垂直面と平面を出しました。

このように平面を出したのち、ヤスリでパンチ面を加工します。

手元がわかりにくいかも知れませんが、バイス(万力)でパンチを挟んで、トップをヤスリで井桁に加工していきます。井桁のヤスリの間隔は1mmから1.5mm程度で格子状にヤスリます。

こうして作成した自家製パンチ棒を使い、バックグランドにテクスチャを打ち込んでいきます。

このように密に、かつランダムにパンチングしていきますが、このやり方については特には決まりはないと思います。今回は、きめ細かく、ランダムに打ち抜いていきます。

いかがでしょうか?今回はバックグランドのテクスチャ作業について、パンチ作業を例に説明しました。

教室のブログには書かれていますが、これは正式にはLazy man’s back groundと呼ばれています。Lazyは怠け者ですから、人に対してLazyを使う場合、ネガティブなイメージの場合に使用します。Lazyのあとには必ず名詞がきますので、この場合の表現は、「怠惰な男の背景処理」という意味になりますね。そのままズバリ、背景(バックグランド)を手抜きしたという意味です。

ところが、実はLazyのあとに「物」が来た場合、この場合、意味は反対にポジティブな意味あいになります。英語をネイティブに話すわけではないので、ニアンスを正確に把握しているか疑問なところがありますが、、

すなわち、Lazy back groundと仮に言ったとすると、「ゆったりとした、趣のある背景処理」という意味になるはずです。

言いたいことは、man’s back groundという名詞句の、どちらに重きを置くかでネガティブなイメージになるかポジティブなイメージになるか変わってくるということで、これはまさに、このバックグランド処理を実際にやったことがある人でないとわからない感覚だと感じています。普通の人が見て、手抜きのようでいて、実は賞賛にあたいするバックグランド処理なのだと、、、そういうことが言いたいだけです。

どのような出来上がりになるか、きっと、気になるところだと思いますが、出来上がりましたらイメージを共有します。

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