ウッドカービング教室[第57回]-作画のトレーニング(デザインと作画)-

デザインと作画

 今回からはデザインについてのお話になります。

 作画はすべての”良い”木工作業の基礎となるものです。

 質(クオリティ)は作画に依存し、質の高い作画なしには、真に高い目的を達成することはできません。職人気質だけでは、十分ではないのです。

 デザインと作画は、車の両輪であり、両方のコンビネーションが重要です。
この、どちらが欠けても真に高い結果を得ることはできないでしょう。

 どのような作品においても、この真理は常に正しいものでした。
 これはいつの時代においても、喜びをもたらす質(クオリティ)をもたらしました。

 そして、特に、その作品が目的としている”機能”が有効に機能する場合、クオリティがもたらす喜びは非常に大きくなるのです。

 この説明の目的が、多くのパートで木彫の”実践的”アプローチを提供することにあるのですが、どのようなステージでも必要とされるデザインと作画を無視すると、その目的自体、失敗することになるでしょう。

 作画によって、創造的能力はトレーニングされなくてはならないということを、常に意識しましょう。その方法とシステムはたくさん存在することでしょう。

 しかし、それらは、必ずしも確立された、分離済みの、それぞれが別個に存在できるようなものではないのですが、我々はそれらを受け入れようとする態度が重要です。

 基本的にデザインと作画のトレーニングに選んだ方法というものは、多くの場合実験的であり、トレーニングを始めた初期の頃は、その人に合っているのかという意味で冒険的でありさえします。

 さらに、それらはある特定のアートと工芸が、それらが扱う素材とツールとともに、相互に深く結びついているものである場合もあります。

 もし、あなたがあなたが持っている才能を正しく評価したいと考えたり、そのような才能を持ちたいと願っていたり、あるいは改善したいと願っている場合、どうすればいいでしょう?

 作画トレーニングで得られる基礎は、その人の記憶に残るために非常に重要であり、才能を伸ばすのに大きな助けになる、ということをまず理解することです。

 生徒たちは、自分たちは木や石をきれいにカットすることができるのに、”デザインを描くことができない”といつも文句をいいます。

 そのような生徒たちに、”作画能力の欠如”が彼らの仕事の結果から、魅力を奪い、結果としてデザインを至らなくさせているのだという事実を理解させるのは難しいことです。

 どのようにして作画能力の改善を達成していくのか?

 次のようなサジェスチョンが彫刻をする際の大きな助けになることでしょう。

 それは、観察による記憶を、頭の中によくとどめておくということです。

 そしてその記憶は機会を捉えて、更新するということです。

 その方法は、古い良い仕事(作品)を良く観察して、詳細を拡大して勉強するだけではなく、現在のアートの中からもどこが良いのかをよく観察することで強化することができます。

 知識が増えれば、資産は増えていきます。

 そして、ゆくゆくは伝統への貢献を受け持つことができるようになることでしょう。