ツールのハンドリング2
多くの場合、左手のひらは木の上に乗せます。
左手は、この状態で行われるすべての動作に対してピボット(支点)のような働きをします。
一般的に、この支点(左手を乗せているポイント)は切削加工時に動くことはありません。
手は木ので静止し、ガウジの動作は指の伸縮だけでコントロールします。
これらの動作は、難しくありません。
ほんの30分位の練習で簡単に体得することができます。
ガウジが半円形(もしくは、円形の一部の形)の場合、スライスさせる動きが、ガウジのロッキング動作を助けるときがあります。
どのようなガウジでも、その歯形が円形の一部である場合には、この動作を行うことができます。
しかし、U型のツールでは不可能なことは明白です。
無理に、このロッキング動作をこの種のツールで行おうとすると、表面の平らな面をキズ着けるだけの結果をもたらします。
下図に、なぜそうなるかを示します。

左の図は円形のガウジでスライス動作をしたときの動きを示しています。
右の図はUツールを使い、スライス動作をさせたときの動きです。
明らかなように、溝の上側(すなわち表面側)はスライス動作をさせるとツールと溝のギャップが離れる方向に動くので、溝を壊していくことがわかります。
同じようなことがVツールにもいえます。
これらのツールでロッキング動作(スライス動作)をしてはいけません。
前に進むのみです。
また、刃先を木の中に刺して、上下方向に動かすコジルような動きもいけません。この動作は刃先を痛めます。
ただし、和ノミではまったくこのような動作はご法度なのですが、洋ツールの場合、ある程度このコジル動作は容認されます。
これはすでに説明しましたとおり、刃先のつき方が違うからです。
