文字加工2
レタリング作業を行う材料は、パネル形状をしていることが多いのですが、どのような大きさのパネルを作るとしても、材料となるパネルはベンチ(作業台)の硬い箇所に、クランプでしっかりと固定しなければなりません。
そしてカットは中心線にそって、チゼルとマレットで加工します。
もし、オーク(水なら)のように、材料とする木が硬かったなら、必要とする深さまで、一度に真っ直ぐチゼルを食い込ませないようにしてください。
こうすると、文字は思っていたものよりも小さいものとなりますし、浅いものになります。
このように最初に中心にスタブし、スタブの両側を徐々に取り除いていき、レタリングのケガキ線外形線のギリギリの内側で止めます。
最後のカット(ファイナルカット)は、材料の上に転写したリタリングのケガキ外形線の外側のハジから行います。
ケガキにはエンピツやシャープンを使うこともあると思いますが、0.5mmの芯のシャーペンを使って外形線を書いた場合、ケガキ線の中央を使うのか、右側のハジを使うのか、左ハジを使うのかによって、0.5mmの誤差が生じることになります。
この0.5mmの誤差(ブレ)は、目視で簡単に判別がつく程度のブレであり、ひとつの作品を台無しにしてしまうくらいの大きな欠点になり得ます。
つまり、この程度の誤差は、まったく許容することはできないのです。
したがって、先の説明で述べました、0.5mm線の右ハシを基準にするのか左ハシを基準にするのか、中央を基準にするのは、制作する人の流儀で決めてもらって構いませんが、一旦決めたら、一つの作品を通して基準になるよう、心を決めて作業をしてください。
目標は0.2~0.3mm以内に誤差が収まるよう、練習してみてください。
先ほども述べましたが、大きなチゼルを使うアドバンテージは明確です。
狭いチゼルを用いることで生じる、チゼル間のつなぎ目を作らないようにすることができるからです。小さなツールを使った場合、どんなに気をつけて加工したとしても、0.2~0.3mm以内の誤差に納めるのには、非常に高度な注意力が必要になります。
しばしば、仕上げカット(ファイナルカット)は手だけを使って、圧力を加える方法が用いられます。(マレットを使いません)
または、広げた手でチゼルの柄を叩く方法も採用されます。
しかし、本当にまれに硬い木の場合、マレットで叩かなくてはならない時があります。
レタリングの掘る場合、ツールを木に当てる角度はだいたい55°周辺と言われています。
これより浅い角度の場合、文字に立体的な形を与える”影”がだいぶ無くなってしまうので、よりフラットな印象を与えることになります。
一方、角度がきつい場合、より多くの木を取り除かなくてはならないことになります。
これは、とりわけセリフなどを加工の場合、やっかいなものになります。