ウッドカービング教室[第76回]-ギルディング(4) オイル・ギルディング-

バーニッシュ(艶出し)のみによって得られる、私たちの努力の結晶であるこの輝きは、ウォーターギルディングによってのみもたらされます。しかし、ここではオイルギルディングについて議論してみたいと思います。多分、経済的理由から、ギルダーがこの方法を使わなくてはならない時があります。この場合、グランドワークはウォーターギルディングと同じように作ります。ただし、木目(もくめ)をつぶすためのジェッソは2、3層しか作りません。ボーロの層は、アルメニアン・ボーロ(Armenian bole)と黄色のクレイ(clay)を混ぜたものを使うのが正解ですが、赤ボーロの項で説明したとおり日本では手に入らないので、ここでは説明のみ行います。

黄色いクレイ層は必要ならばNo.0のグラスペーパーを使い表面を整え、クリアなSIZEを2層重ね塗りします。次に、金箔用のSIZEを載せます。これはすぐに使える小さな缶入りのものが売られています。これらは通常、金箔のSIZEにおおよそ18時間かかります。これはもちろんおおよその時間で、劣化して金箔を受容できなくなるまでの時間で、これは黄色いクレイの乾燥時間も同じくらいです。黄色のボーロは、赤いボーロがウォーターギルディングに作用するのと同じように、オイルギルディングの効果を高めます。以下は金箔用SIZEの写真です。

SIZEギルディング用に使用しているGILDING ADHENSIVE

SIZEを良くかき混ぜます。平らな豚毛ブラシを使い、適用する作品のサイズに合わせてブラシのサイズは選択します。

ただし、すべての表面を一遍に塗ることができるよう、すべての面において作業を行います。すべの表面が最小のSIZE量を満たすように2回づつ塗ること。これは強制的に行わなければなりません。なぜならば、へこみにたまった水たまりや、高い箇所に残った余剰SIZEは、乾燥時の不均一性をもたらすからです。さらに、金箔がそのような表面に置かれた場合、金箔の永続性に問題が生じてしまいます。注意深いSIZE塗りが終了したら、作品に対してほこりが積もらないようにカバーをかけます。そして、時折金箔SIZEの厚さを軽く手で触って確認します。乾燥具合は指紋がほとんど残る程度です。より乾燥している方がベターと言えます。

次には金箔を切って、ウォーター・ギルディングと同じように押していきます。(金箔を載せていく)。脱脂綿を使いふるしの亜麻布にくるんで、軽く押しながら当てていきます。他の方法では金箔を載せたものと同じダバー(dabber)で叩くという方法があります。また、若干難しいのですが、厄介な欠陥をカービングツールを使って押す方法もあります。

ここで述べておくべきことですが、ジェッソの基礎はオイル・ギルディング時にはバイタルではありません。(息をしていません)したがって、オイル・ギルディングではバーニッシュを行わない方針を貫くことになります。それは時には、バーニッシュした方が、ジェッソの基礎に対して良いように見えるときに於いてもです。これは他の代替えグランド、例えば木などに絵を描いてプライマリーする場合(下地を作る工程)においてもそうです。すべての木目が消えて見えなくなるまで、グラスペーパーでなめらかにし,最後に艶出し層を重ねます。黄色クレイで終了の判断をしたときと、だいたい同じような層ができれば完成です。表面がなめらかで、金箔を押すのに障害となる、欠陥やゴミがないと判断され、自分自身が満足したところで、金箔用SIZE塗りと金箔押しができるステージに進むことができます。

看板のような外に置く仕事で、文字が大きかったり、サインになっているものの場合、上のようにペイントして下地を作ります。しかし、日本製”にかわ”のように、30分でべたつきが消えてしまうものは、外の仕事をする場合とても必要とします。外の仕事の場合は、トランスファーゴールド(transfer gold)を使うようにしてください。バーニッシュの観点で、金箔が材料からはがれることを防ぐプロテクション(保護コート)は必要ありません。しかし、時間経過とともに汚く見えるようになるかも知れません。ゴミがひっかかないように注意し、きれいなスポンジを使い、暖かい水で洗い流します。あとは何もつけずに乾燥させます。